歯科用CTと頭部エックス線規格写真装置
歯科用CTは10年程度前に開発された装置です。通常のレントゲンが影絵を見ているとすると、このCTはその部分を切り取って見る事ができます。それもどの方向にも切り取る事が出来ます。
通常のレントゲンですと、隣の歯が邪魔をして真横から見る事ができません。しかしCTですと真横からもみられますし、骨の断面も見る事が出来ます。
原理は、連続的に何枚かのレントゲンを撮り、それをコンピューターで再構成して画像を作るのです。
成人歯科では、インプラントを行う際の骨の厚みを見たり、根の治療(根管治療)をする際に根の立体的な状態を観察するのに使います。小児歯科においては矯正治療や埋伏過剰歯と言う、骨の中に埋まっている歯の位置を立体的に知るのに使います。
それではなぜ矯正治療で必要なのでしょうか?
矯正治療中、私たち矯正専門医でも、歯が動かなくなるといった状態を経験します。 その原因の多くは、骨の厚みが薄い部分への歯の移動や、歯の根の先が骨の外側に大きく移動してしまう場合に起きます。それを調べるのには、CTしかありません。
又、セファログラム(セファロ)と言う顎の骨格を調べるレントゲンも同時に導入しましております。このレントゲンは頭部X線規格写真と呼んでおり、決まった距離からレントゲン写真を撮る事により、標準的な骨格との差を観察するのに使います。矯正治療をするのには、無くてはならない装置です。