小児歯科とレントゲン
ある国際的な小児歯科の定義によれば、「小児歯科医は乳歯と永久歯のすべての治療ができなければならない。また同時に、精神的に発達途上にある子供の歯の状態を正確に評価でき、かつ精神的サポートができなければならない。」とされています。
これが小児歯科医の正確な定義となっています。この定義の中にあるように、「歯の状態を正確に評価できる」にはレントゲンが欠かせない診断ツールです。
小児歯科の治療をするにあたり、レントゲン写真は必ず撮影します。「子供にレントゲンは危なくないですか?」というご質問もいただきます。お子様の体への影響を心配されることは非常に大事なことだと思います。このページでは、小児歯科とレントゲンについて詳しく説明いたします。
なぜ、レントゲンが必要なのか?
まずは、見た目だけで虫歯の診断を行うことの限界についてです。肉眼で見て「虫歯があるかどうか?」「どの程度深い虫歯なのか?」を確認するには限界があります。特に、歯と歯の間(隣接面)の虫歯は肉眼では確認できません。
また、乳歯の下に永久歯がどの程度育っているか(歯胚の確認)も、レントゲンがなければわかりません。歯の本数の異常(過剰歯・先天欠損歯)の確認にも必要です。さらに、根の状態(根尖病変・膿の有無)の確認も、視診だけでは不可能です。
このように、レントゲンは正確な診断と適切な治療計画のために欠かすことのできないものなのです。
レントゲンのアルファベット表記について
歯科のレントゲン写真では、乳歯はアルファベット(A〜T)、永久歯は数字(1〜32)で表記されます。これは国際的に統一されたFDI方式(もしくはユニバーサルナンバリングシステム)によるものです。
乳歯のアルファベット表記の読み方は次のとおりです。上顎の右から左へ A・B・C・D・E、下顎の左から右へ F・G・H・I・J(合計10本)、これが右半分で計10本。左半分も同様に K〜T の10本で、乳歯合計20本となります。
たとえば「Dに虫歯があります」と言われたら、上顎右側の第一乳臼歯に虫歯があるという意味です。保護者の方がレントゲンを見ながら医師の説明を受ける際の参考にしてください。
3歳児のレントゲン撮影
3歳児のレントゲン撮影は、大人と比べて非常に難しい場合があります。理由は、フィルム(センサー)を口の中に入れることに慣れていない・怖いと感じるお子様が多いからです。
当院では、お子様が安心してレントゲンを撮影できるよう、次のような工夫をしています。まず、フィルムを見せて慣れてもらいます。次に、口の中に入れる感覚を練習します。そして、少しずつ撮影の練習を重ね、実際の撮影に移ります。急がず、お子様のペースに合わせて進めていきます。
どうしても口の中にフィルムを入れることができない場合は、口の外から撮影するパノラマレントゲン(全体像が撮れる機器)を使用することもあります。お子様の状況に応じて、最適な方法を選択いたします。
被曝量については、歯科用デジタルレントゲンの被曝量は非常に少なく、日常生活での自然放射線の数十分の一以下です。安全性は十分に確保されていますので、ご安心ください。鉛のエプロンも必ず着用していただきます。
