先に、いちばん多いご質問にお答えします
- 全身麻酔ですか? … ちがいます。意識はなくなりません。呼吸や循環も抑えられません。
- どんな状態に? … ぼんやりと心地よい気分になり、痛みの感覚が鈍くなります。泣いているお子様も落ち着きます。
- 副作用は? … 終わればガスはすみやかに体の外へ出ます。回復も早く、心配はいりません。
- 機器は? … 敬友会では30年以上、同じメーカーの機器を使っています。
笑気吸入鎮静法とは?「笑気麻酔」とも呼ばれます
笑気吸入鎮静法は、鼻から笑気ガスを吸って、気持ちを落ち着かせる方法です。「笑気麻酔」と呼ばれることもあります。
30%以下の低濃度の笑気と、70%以上の酸素を混ぜたものを、専用の鼻マスクで吸っていただきます。
笑気ガスは、全身麻酔にも使われる亜酸化窒素ガスです。でも、このガスだけで意識がなくなることはありません。眠らせて治療する全身麻酔とは、まったく違う方法です。
笑気吸入鎮静法は全身麻酔ではありません。意識はそのままで、呼吸や心臓の働きも抑えられません。お子様は起きたまま、落ち着いた気持ちで治療を受けられます。
どんなお子様に使いますか?
- 歯医者さんがこわい不安や恐怖心が強く、治療のあいだ緊張してしまうお子様。
- 泣いて、首を振ってしまう泣き止んだり、首を振ることが少なくなったりして、安全に治療できます。
- 嘔吐反射が強いお口に器具が入ると「おえっ」となりやすいお子様。
こうしたお子様をストレスから守り、気持ちを落ち着かせることで、治療を円滑かつ安全に行うことができます。
何歳から使えますか?
何歳から、という決まりはありません。鼻から息ができて、鼻マスクを着けていられることが条件です。お話が分かるようになる3歳ごろがひとつの目安ですが、お子様のご様子を見て判断します。
当院では、まず「慣れる」ことから始めます
笑気は、いきなり使うものではありません。当院では、お子様に合わせて次の順に考えています。
- ① トレーニングで慣れる刺激の弱いものから少しずつ慣れていく方法(系統的脱感作法)で、歯医者さんに慣れていただきます。
- ② 笑気吸入鎮静法それでも緊張が強いときは、笑気で気持ちを和らげながら治療します。
- ③ 抑制治療治療が危険な場合は、ご同意をいただいて抑制治療(からだが動かないように支えて治療する方法)を行うこともあります。からだの小さい5歳ぐらいまでが限度です。
- ④ 全身麻酔での治療それでも難しい場合は、神奈川県立こども医療センターの歯科と連携して、全身麻酔での治療をお願いしています。
大学病院での治療をすすめられたお子様が、トレーニング2回で、しかも笑気を使わずに治療できるようになったこともあります。お子様の「自分でできた」という自信を、何より大切にしています。
泣き続けていると、笑気は効きにくくなります
笑気は鼻から吸って効くガスです。抑制治療をしていても、お子様がずっと泣いていると、笑気ガスを十分に吸えないことがあります。そうなると、効果は半分ほどになってしまいます。笑気を使う前に、まずトレーニングで歯医者さんに慣れていただくのは、このためでもあります。
くわしくはコラム「子供の精神発達について」をご覧ください。
吸っているあいだは、どんな感じですか?
個人差はありますが、ぼんやりとした、心地のよい楽しい気分になります。そして、痛みへの感覚も鈍くなります。
泣いているお子様でも、気持ちが落ち着いて泣き止んだり、首を振ることが少なくなったりします。だから、安全で確実な治療ができるのです。
お鼻からすうっと吸うだけ。ふわっといい気持ちになるニャ。
安全性と、治療のあと
からだへの負担が少ない方法です
笑気吸入鎮静法では、意識はなくなりません。呼吸や循環(心臓の働き)は抑えられず、安定しています。使うお薬の量は少なく、肝臓や腎臓への影響もありません。全身麻酔に比べて、はるかに安全性の高い方法です。
終わったら、すぐに元に戻ります
治療が終わると、ガスはすみやかに体の外へ出ていきます。落ち着いた状態からの回復も早く、副作用などの心配もいりません。
ただし個人差がありますので、眠気が強いときは、少し安静にしてからお帰りください。
30年以上、同じメーカーの機器を使っています
敬友会では30年以上前から、同じメーカーの笑気吸入鎮静器を使っています。非常に安全性が高く、信頼できる機器です。
笑気を使えない方・注意が必要な方
その日は使えない・効きにくいとき
- かぜや鼻づまりで、鼻から息ができない笑気は鼻から吸って効くので、効きにくくなります。その日は見合わせることがあります。
- 中耳炎にかかっている耳の中の圧が上がるおそれがあるため、治るまで使いません。
妊娠初期(3か月以内)の方は、念のため使わないほうが無難です。
医師との相談が必要な方
次にあてはまる方は、笑気を使う前に、医師との相談が必要です。治療の前に、必ずお知らせください。
- ビタミンB12が足りない・血液の病気がある笑気の副作用が強く出るおそれがあります。
- 葉酸の代謝の生まれつきの病気(重いMTHFR欠損症)遺伝科の医師や麻酔科の医師に、先にご相談いただくのがよいとされています。
- 抗葉酸薬(メトトレキサート)やブレオマイシンを使っているお薬との組み合わせに注意が必要です。
- 慢性の肺の病気(COPD など)がある病気によっては使えないことがあります。
- 目の手術で、目の中にガスを入れている目の中の圧が急に上がるおそれがあるため、使えません。
持病のある方、お薬を飲んでいる方は、受付や歯科医師にお伝えください。
よくあるご質問
いいえ、意識はなくなりません。笑気吸入鎮静法は患者さんの意識を消失させません。特に、呼吸器系や循環器系は、抑制されず安定しています。また、使用する薬剤は少量であり、肝臓や腎臓に対する影響はありません。全身麻酔に比べてはるかに安全性の高い方法です。
気分が安定します。泣いているお子様でも、笑気吸入鎮静法を用いると、気持ちが落ち着き、泣き止んだり、首を振るといったことも少なくなります。よって安全確実な歯科治療が可能になります。
安全性の高い笑気吸入鎮静器を使います。30%以下の低濃度笑気と70%以上の酸素を混合し、専用の鼻マスクを用いて患者さんに鼻から吸入してもらう機器です。
敬友会では30年以上前から、同じメーカーの笑気吸入鎮静器を用いております。非常に安全性が高く、信頼性のある機器です。
決まった年齢はありません。鼻から息ができて、鼻マスクを着けていられることが条件です。お話が分かるようになる3歳ごろがひとつの目安ですが、お子様のご様子を見て判断します。かぜや鼻づまり、中耳炎のときは使えないことがあります。
当院では、まずトレーニングで歯医者さんに慣れていただくことから始めます。それでも緊張が強いときに、笑気吸入鎮静法を使います。ずっと泣いていると笑気を十分に吸えず、効果が半分ほどになってしまうためです。お子様のご様子を見ながら、保護者の方とご相談して決めます。
ガスはすみやかに体の外へ出ていくので、回復は早いです。ただし個人差がありますので、眠気が強いときは、少し安静にしてからお帰りください。
笑気吸入鎮静法は、一般的に保険が適用されます。保険を使わない自由診療の場合の費用は「費用」のページをご覧ください。