治療方針

もしも、虫歯になってしまったら? 小児は大人のミニチュアでしょうか?いいえ、違います。
小児には小児の治療の仕方があります。大人の治療の準用はできません。
小児は、乳歯ですから歯の数は少なく、咬むことに寄与する歯が少ないのです。
しかし3歳児位になりますと、大人と同じような食べ物を食べます。
つまり大人より少ない歯で大人と同じような食べ物を食べるわけですから、歯に対しては過酷な環境と言えます。
ですから、しっかりした歯の治療をしないと、歯に詰めた充填物が直ぐに外れたりする事が多発します。
そして、小児の精神発達や心理的な要素も考えなければなりません。
都筑キッズデンタルランドの予防、治療の流れ

初診時には、お子様のお口の中のチェックをいたします。もしも、泣いたりしてしまった場合は、お子様に慣れていただくトレーニング開始!
虫歯が有った場合でも、いきなり治療はいたしません。
なぜ、虫歯になったのか?その原因と対策を考えることから始めます。よって、初診時はスタッフによる説明と指導が主になります。
その次はブラッシングや予防指導!
それがしっかり出来るようになってから治療開始になります。
(2週間以内に治療が開始できるようにするのが目安です)
※痛みや大きな虫歯の場合は、その限りではございません。
ラバーダムを用いての治療
小児の口の中は、大人とは違います!
何が問題になるかと言うと、まずは「湿気」。次は「唾液」なのです。
小児の口は当然ながら、大人より狭く口で呼吸している場合も多々あります。よって湿気は多いのです。
湿気が多いところと言えば…お風呂場があります。
つまり小児の口の中は、お風呂場に近い環境だと考えてください。そこで、想像をしてみましょう。
お風呂場の窓ガラスにセロハンテープを張ったらどうなるか?くっつかないか、直ぐに外れてしまうかですね。そうなのです。小児の治療で大事なのは、この湿気をコントロールする事なのです。

そこで登場するのがラバーダムと言う道具です。最新式の物というわけでもなく、100年以上も前からあります。日本の歯科関係の有資格者ならば100%知っている器具です。
しかし、歯学部の大学病院、小児歯科では100%使われているものの、開業歯科医では殆ど使われておりません。
装着が面倒なことや、保険の診療報酬が一切無いことも、その原因と思われます。
しかし、敬友会の本院である小机歯科医院では、25年前から継続して使用し続けております。
それは、「湿気や唾液」のコントロールもありますが、虫歯になった部分を取り残さないことが一番大切だからです。
お子様は動きます。落ち着いていられないのが、普通です。
それを大人と同じ方法で行う、つまりラバーダムをしないで治療をするとどうなるのでしょうか。治療する歯科医師自身、動くお子様に対して、普段とは違う精神状態で治療することになってしまい、虫歯の部分を大幅に取り残して充填してしまうのです。これでは、詰めたものがすぐにとれてしまいますよね。

やはり、このラバーダムが必要なのです。少し動いたくらいでは、虫歯を削った部分に唾液は混入しません。
よって歯科医師も落ち着いて治療できます。
つまり虫歯の取り残しも少ない=詰め物の脱落の少ない、再発の少ない歯科治療が実現できます。
※ラバーダムによる治療をしても自費としての費用は一切ございません
マイクロスコープを使用しての小児歯科治療
敬友会の診療所では歯科医師、歯科衛生士がマイクロスコープを使って治療をするのが基本となっております。敬友会4つのクリニックで、23台のマイクロスコープがあります。これはメーカーのカールツァイスジャパンによると、国内最大との事。

都筑キッズデンタルランドでも4台、導入いたしました。
それでは、マイクロスコープとは、一体何でしょう? 日本語では、歯科用顕微鏡と言います。
簡単に例えると、高級な虫眼鏡です。
倍率は3倍~24倍程度に切り替えできます。これを使うと非常に正確な診療ができます。まず、虫歯の見落としが非常に減ります。また、細かい治療に使った場合、精密度が大幅にアップします。
しかし、これを使いこなすためには、3ヶ月程度の徹底的なトレーニングが必要です。当会の歯科医師、歯科衛生士は、このためのトレーニングをしっかりと積んでいます。
そして、マイクロスコープ内蔵のビデオカメラで、実際の治療の様子を撮影・録画し、パソコンに取り込んでおります。
治療後の説明の際には、そのライブ映像をお見せすることができます。
小児の診療姿勢
小児歯科治療ではお子さんの精神的、身体的成長に合わせて治療スタイルを変えてあげる必要があります。勿論、安全に治療を行なう事が第1ですので、安全に治療ができるかどうかを大優先で考える必要があります。
我々、歯科医師が、安全に治療することが不可能だと判断した場合は、大切なお子さんの命を守る為にも、治療を中断する場合があります事を予めご理解下さい。
虫歯は勝手に治りません。悪くなってしまったところを、削って取って、詰めるなり被せるなりしないといけない場合が殆どです。
麻酔もしないと痛いんです。ラバーダムもかけないと危ないんです。
小児歯科治療は大切なお子さんの安全第1で治療を行なわなければなりませんので、どうか、お父さん、お母さんも、お子さんの歯の治療は簡単にできると思わないでください。
世の中では悲しい事故もおきています。子どもは大人のミニチュアではないのです。
小児歯科治療は一筋縄ではいかない事があります。成長に合わせて、どんな診療スタイルがいいかも変わってきます。
時間帯でも機嫌が悪かったり、良かったりしますので、治療する時間帯も変えてあげないといけない事もあります。
お子さんの歯の治療を、安全に行う為には、我々大人たちが、どのような治療スタイルなら安全に治療できるかを、しっかりと考えてあげる必要があります。
どうか、御理解の程を宜しくお願い致します。
院長 秋山翔太郎
- お子様一人での治療。
- 小児歯科では事故なく安全に治療を行なう事が大切です。ですので、親御さんが一緒に入ると甘えてしまったり、お子さんに声をかけたりする事で、顔が急に動いたりしてしまい、事故に繋がるリスクが高まります。
- また、1人でできた事が本人の達成感にも繋がり、精神的な成長にも繋がると思っております。
- 原則、1人での治療は、「言葉でやってはダメな事が理解できる」4歳以降からです。
- 保護者の方が、お子様をお腹の上に抱っこしての治療。
- 原則3歳までですが、場合によっては4歳以降も抱っこする場合もあります。ただし、重たくなりますので、親御さんもけっこう大変です。力いっぱい暴れてしまい、親御さんでも抱っこが困難な場合は、レストレーナーでの抑制を検討した方が良いです。
- 抑制下治療(ネットで抑えての治療)
レストレーナーとタオルでお子さんの体が動かないように固定した状態で治療します。
治療する際、必ず説明しますが、説明書・同意書をご一読して頂き、サインをして頂きます。
親御さんの同室は控えて頂いたがよいです。なぜならば、お父さん、お母さんも、先生達といっしょに私を抑えた。と思ってしまうからです。嫌われ役は私たちがやりますので、親御さんはできるだけ、待合室でお待ちいただきたいです。
そして、頑張ったお子さんを、たっくさん誉めてあげてください。