歯を削る機器、半数以上の歯科医院が使いまわし?
歯を削る機器のことをハンドピースといいます。
お子さんが聞くと逃げ出したくなる、あの“キーン”と音がする機器です。
この機器を患者さん毎にきちんと滅菌しないで
使いまわす歯科医院が半数以上あり、院内感染の恐れがあるという
内容の記事を見ました。7月3日に読売新聞に掲載されたものです。
これには同じ歯科医として非常に残念。がっかりしました。
当院では、院内環境を清潔に保つことはもちろん、
患者さんに直接触れる医療器具は、徹底した滅菌処理を行っています。
これは、20年以上にわたって続けていることです。
ここで少し細かい説明になりますが、
“消毒”“殺菌”“滅菌”とはどう違うか、ご存じですか?
まず消毒とは、
対象物に対して健康上の害がない程度にまで細菌を減らすこと。
病原性のある微生物をどの程度減らすのかによって水準が分かれる。
続いて殺菌とは、
対象物に付着する細菌を殺すこと。
つまり、数に関わらず細菌が1でも1,000でも“殺菌”したことになるため、
明らかな保障性がない。
最後に滅菌とは、
対象物をほぼ無菌状態に近づけること。
国際的な水準もあり、例えば100万個の対象物の中で1個だけ
細菌が付着しているレベルであれば良しとされている。
どれもよく聞く単語だと思いますが、
実際の違いとはこんなふうに定義づけされているんですね。
つまり滅菌処理を行うということは、細菌ゼロの状態で
患者さんを治療できるように努めるということ。
正直なところ滅菌するにはそれなりの時間を要します。
また、ハンドピースは精密機器でもあるために熱にとても弱い、
ベアリングやオーリングというパーツが入っているのです。
これを約130℃もある専用の滅菌器で熱さなければなりません。そうなると、機器の寿命も短くなってしまうんですね。
しかもこの滅菌器は、壊れやすいという弱点もあります。
滅菌している間も診療は続くわけですので、
必然的にハンドピースのストックも十分な数が必要です。
もしも故障した場合なども考えると、実際には3倍の数を用意しなければ
安心できる環境とは言えないでしょう。
このような点から、当院では常に30本以上の機器のストックと
滅菌器においても予備を2台備えて日々診療しています。
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