子供の銀歯
虫歯治療などをして銀歯になることがあります。
その銀歯について書きます
◆子供の銀歯
いわゆる銀歯。銀色をしているからですが、小児に使われている銀歯は大きく分けて2種類あります。
1、大人と同じように型を採って銀合金で詰め物を作って歯に接着材で装着する場合
2、ステンレススチールで出来た既成の冠(乳歯冠)を歯に被せてしまう場合
当会では、1番の銀歯は全く行っていません。虫歯がそれほど大きくなければ、コンポジットレジンと言うその場で充填する治療で充分だからです。それではこの詰める形の銀歯の弊害について記したいと思います。
◇外れやすい
子供の歯は大人の歯の様に高さが有りません。よって銀歯を作って接着させようと思っても深くまで嵌め込めません。又、子供の場合は粘着性のガムやグミが大好きです。乳歯の詰め物に対して、この引っ張り力が働くと、かなりの確率で詰め物の銀歯が取れてしまいます。以前には、幼稚園で七五三のお祝いに千歳飴を配っていた事が有りますが、この季節になると銀歯が取れたと言って来院される場合が多かったと記憶しています。そして、外れた場合でも子供には判らず、痛みが出た段階で親に言う場合が多いのです。こうなりますと、歯髄(神経)をとらなければならない治療になってしまいます。
◇型を採る必要がある
大人でも、あの歯型を採られるのは、気持ちが悪いと思います。あれを子供にやらなければならないのです。泣いていなければ、気持ちが悪いだけでそれほどは問題は有りませんが、泣いているのに、型を採ると、あのドロドロな型を採る材料を吸い込んでしまう危険性が有るのです。又、治療回数も1つの歯に対して2回かかってしまいます。オーダーメードで作るのですが、子供の歯の治療では却ってこれが良くないのです。
◇再度虫歯になりやすい
健康保険の場合、大人に使っている代用金合金と違い銀合金と言う合金なので、欠け易いのも問題です。そこから又、虫歯になってしまう場合もあるのです。又、欠けなくても、段差ができてしまったりして、そこから虫歯になってしまう場合も多いのです。
この様な欠点だらけの、銀歯(詰め物)は子供の治療に使う必要は一切無いと考えています。しかし、どうしても銀歯にした方が良い場合も有ります。それは同じ銀歯と言っても上記2番の乳歯冠です。これは上記の詰め物の銀歯と違って既成品の冠です。同じ部位の歯でも大きさが7種類程度あり、そこからチョイスをして装着するのです。大人の治療ではこの様な事は一切しません。子供ならの物で、依然として生き残っている治療方法です。なぜならば、この乳歯冠の様な既製品が使えるのは、成長発達中のと言う特殊な状態だからです。
この乳歯冠の良さは、上記の詰め物を作ってきて入れる銀歯の欠点の3つが無いのです。外れにくく、型を採る必要もない、全部被せてしまうので再度虫歯にはならないのです。
しかし欠点も有ります。それは乳歯冠は全体を包んでしまいますので、とにかく銀色が目立つのです。又、成分的には鉄が7割、ニッケルが2割、コバルトが1割程度含まれています。合金化をしているのでどの様に金属元素が働くかは分かりませんが、金属アレルギーの問題もあり得なくは無いでしょう。
ただ、それではこの乳歯冠を被せなければならない様な大きい虫歯の歯に詰める銀歯に替って使うコンポジットレジン充填をするとどうでしょうか?高頻度で欠けてしまうのです。それも隣の歯と接している部分が欠けてしまう場合が多いのです。又、摩耗性も高いので、ツルツルにまで減ってしまっている場合も有ります。こうなりますと、大人の場合は、咬みにくくなるので気が付きますが、子供(乳歯)の場合は擦り減った分だけ、歯が伸びだしてきますので、その様な訴えは無いのです。しかし、こうなりますと咬み合わせの高さが低くなると共に、歯並びに対して影響を与える様になるのです。
そこで、白い乳歯冠、つまり白い歯と同じ色をしていて、更に強度があり擦り減りにくい冠はなかろうか?
ありました。アメリカに。ジルコニア製の乳歯冠です。
それについては前回の院長ブログをご覧ください。
サイト内検索はこちら

◆発育空隙について 子供の歯の状態に【発育空隙(はついくくうげき)】というものがあります。子供の歯列に隙間がある状態のことなのですが、特に上顎前歯部に出来る隙間を示すことが多いようです。前歯に隙間が出来るため、【醜いアヒルの子】の時期という風に呼
子供の時に何らかの事故で歯を失ってしまうということがあります。失ってしまった歯を補うために入れ歯を使用するべきか少し考えてしまいますよね。乳歯なら、少し待てば永久歯が生えてくるだろうし・・・。しかしこの場合、基本的には入れ歯は必要です。
虫歯というと、黒くなってきて穴が開いて来てということを連想すると思いますが、場所によっては重度になるまで全く気づかないということもあるのです。それが、歯と歯との間にある虫歯です。隣接面の虫歯などとも呼びますが、これは外からでは見えないことも多いため